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『真夜中の招待状』(2012年3月) [掲示板再録]

>>>三一十四四二三 -- 12/03/08-16:07..No.[14875]
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「真夜中の招待状」は封切り当時、内容はほとんど評判にならなかったが、2つの点で騒がれた作品だ。
一つは小林麻美がヌードになったという点。
そしてもう一つが、フィルムに「サブリミナル広告」を挿入した点である。
「サブリミナル広告」とは、フィルムの一部に視覚で認識できないメッセージを挟み込んで、見る人の潜在意識に訴えるという特殊な広告である。
これは法律で禁止されているというが、その真偽は定かでない。
というのは、サブリミナルの効果は「実際にはない」ということが証明されているからだ。
 実際に効果のないものを法律が取り締まっているというのはおかしな話だが、まあ、一度決まった法律を改定するのは面倒なことなので、放置されているのかもしれないし、あるいは、そもそも法律にそういう事項がないのかもしれない(いわゆる都市伝説)。

 しかしこの映画の製作者サイドは、サブリミナルの効果を確信していたようで、実際にオープニングの部分にサブリミナル広告を挟み込んで公開したのである。

 それは「ペプシコーラ」の広告だった。
売店でのペプシコーラの売り上げを伸ばすことが、その目的だったのだ。
 いや~。せこい。
この後10年ほどで松竹は破綻するのだが、その兆しはこの「せこいサブリミナル」に現れていたのかもしれない。
(この映画では「人間の夢は未来を予知する」といったトンデモ学説が多用されているが、奇妙な符合を感ずる)

 DVDになっても、まだこのサブリミナル広告はそのまま残っていて、コマ送りで確認できるらしい。
(面倒くさいのでコマ送りはやってない。しかし、法律で禁じられていたはずのものが、そのまま温存され、ソフト化にあたっても残っているということは、やはり違法性は無いと考える方が自然ではないか?)

映画を見終わったら、無性にペプシが飲みたくなった・・・というのはウソだが、何故か家内がペプシNEXを箱ごと買ってきていたのだ・・・



>>> Belldandy Whale -[URL] -- 12/03/08-20:50..No.[14878]

懐かしいですね。小林麻美さん。
突然、所属事務所(田辺エージェンシー)の社長と結婚して引退してしまいました。
バブル経済とともに現れて、バブルの破裂とともに去って行った、そんな感じの女優?さんです。創価学会がらみで時々出てくる田中美奈子よりずっと潔い気がするのは私だけ?



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>>> 三一十四四二三 -- 12/03/09-13:07..No.[14879]

現在58歳らしいですね。
ずいぶん顔が長い人だったので、どんな風に老けているのか想像ができません。
だいたい年をとると、顔は縮みますからね。



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>>> Belldandy Whale -[URL] -- 12/03/09-14:02..No.[14881]

小林麻美をはじめとして、この頃の女優さんは、何か共通しているものがありました。
まず痩せ形で足が長く、肩にパッドが入ったボディ・コンのぴっちりした服を着こなす。
師匠の仰るように、馬顔に一歩手前の面長。髪はストレイトか少しソバージュで、背まで垂らす。
アウトドアというより、都会の夜の雰囲気で、翳りやアンニュイがにじみ出る。
まあ、そんなところでしょうか。
理想化すると、漫画『北斗の拳』に出てくるユリアをはじめとする美女になってしまうのですが、漫画の方が影響を受けていた気がします。



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>>> 三一十四四二三 -- 12/03/09-21:43..No.[14885]

肩パッドを入れて、衣紋掛けに引っかかったような肩にするのは、よほどスマートな体型でないと絶対似合わなかったですね。
肥満体の女性が肩にパッドを入れた当時流行のファッションで
「のしのし」
と歩いているのを見たときはアメフトの選手を連想したものです。

小林麻美は、いつも眉を顰めて困ったような顔をしていましたが、あれも「当時流行の表情」であって、何の悩みもないようなパッパラパ~の女性が、あんな顔を作っていると、後ろから女陰めがけて思いっきり蹴飛ばしてやりたくなったものです。
そういえばキムタクの奥さんも、ああいう顔をしてましたね。



>>>三一十四四二三 -- 12/03/08-16:31..No.[14876]
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『真夜中の招待状』は「遠藤周作唯一の都会派ミステリを原作に・・・」などと宣伝されたが、物語はローカルに向かって都会を離れる一方であるし、またミステリでもない・・・という詐欺のような作品である。
IMGP0435.jpg
 写真の絵は天本英世の肖像画ではなく、この作品に登場する怪物だ。
しかしバケモノ呼ばわりされるこの醜い男は、普通の人間であり、リューマチ治療のために副腎皮質ホルモン剤を大量接種したため、変形してしまった哀れな病人なのだ。
 
 「真夜中の招待状」は先に書いたサブリミナルの問題や「不入り」でもって早々に興業を打ち切られたということになっているが、こうした病人を「バケモノ扱いしている」という点で「ノストラダムスの大予言」同様の批判を受けることを恐れた松竹が、早めに引き上げた、というのが真相ではないか?
(この映画には「ノストラダムスの大予言」の主役・丹波哲郎も心理学者役で出演しており、「呪いというのは、最も強烈な暗示と考えることができます。その証拠は、呪いを込めた息を蝿に吐きかけると、その蝿は死んでしまうのです・・・」と、狂人の戯言としか思えないようなことを口走るのである)

 さらにこの映画は、東海村の原発施設を隠し撮りした映像が登場、これも問題になったのかもしれない。

わしは映画を見ながら、原発とこの怪人との関係を疑った。
つまり漏洩した放射線の影響でこんな顔になってしまった男が、放射能で発達した超能力でもって殺人を犯しているのではないか?と。
その方が辻褄が合うんだけど、原発は全然その後の展開には関係していないのだ。
 
 「バケモノ」は特殊メイクで表現されているが、当時はまだ技術が拙かったために、おそろしくチープな出来栄え。

 80年代初頭に「サイコロジカル・モダンホラー」的なものが、中途半端な形とはいえ完成していたということは驚きであった。
それが映画の情報が氾濫した今尚、ほとんど知られてない、ということも実に奇妙で興味深い。




>>>三一十四四二三 -- 12/03/09-13:34..No.[14880]
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小林麻美という当時最もファッショナブルだった女優を迎えて製作された「真夜中の招待状」は、「80年代に相応しいおしゃれな都会派ミステリー」とされていた。
しかし実際は、熊本辺境の土蔵のある旧家でクライマックスを迎える「土着ホラー」だった。
(以下ネタバレ)

「わしの息子を、こんなバケモノにした貴様を許すことはできぬ!しかし息子の肖像画を1000枚描いたら、この土蔵から出して開放してやる!」
 これが事件の全てなんですよ。本当に惨い話ですね。

1000枚肖像画を描いているうちに、息子のあまりのバケモノぶりに頭が変になり、土蔵から脱走し、吊橋から身を投げて死んでしまう・・・
これが失踪事件の真相だったんです。

 こんな物語のどこに「都会」が存在しているのでしょう?
しかし小林麻美は、場違いなハイファッションで登場し、眉間に皺を寄せて
「ま~こんな酷いことってあるのかしら?」
などと台詞を棒読みしているのです。

それに不思議なことにこの映画、主演たる小林麻美自身には、どんなピンチも襲って来ないのです。
ただ、そこにいるだけ、という役柄。
まあ、演技力皆無の彼女に合わせたら、こんな役柄になってしまったのでしょう。
例の「バケモノ」に彼女が襲われるシーンがあってもいいはずですよね。普通は。

 わしが想像するに、小林の手元にあった台本には、こんな「蔵六の奇病」みたいなドラマではなく、もっとおしゃれな、それこそ「都会派ミステリー」が綴られていたのかもしれません。
彼女は、そんなつもりで主演に応じ、そんなつもりで演技していたのでしょう。
 彼女に知らないところで、バケモノの話が撮られており、彼女が知らぬ間に編集されて、こんな変な映画になっていた・・・

「ま~!あたいはこんな映画に出たつもりないのに~!」
とヒスを起こしても後の祭り・・・だったような気がするなあ。



>>>三一十四四二三 -- 12/03/22-23:11..No.[14975]
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映画「真夜中の招待状」の原作は遠藤周作唯一のミステリ「闇のよぶ声」だ。
映画は出来が悪く、支離滅裂な内容だった。
しかし「このけったいな映画の原作はいかなる作品なのか?」という興味を抱かせた。
そこで、アマゾンの古書部で一冊1円の文庫を求めた。

三人の兄弟が次々に失踪。今度は俺の番だ・・と悩み、ノイローゼになった青年を救うために、そのフィアンセと、精神科医、そして地方新聞の記者が謎に迫る・・・というストーリーは同じだが、結末を大きく変えている。
 映画では薬害でフリークスになった息子の仇をとることが犯人の目的だったが、原作は、満州で日本人に虐殺された朝鮮人一家の生き残りが復讐の鬼となって・・・というものだった。
 
 原作の結末をそのまま映画化するには問題があったのかもしれないが、ここまで肝心な部分を改変してしまうと、何のためにこの原作を選んだのか疑問に感じる。

 原作もミステリとしてはデタラメなもので、ミステリとしての完成度は極めて低いけれど、筆力でもって無理から読ませるだけの迫力があるし、結末部分はそれなりの衝撃がある。
 映画は、その一番の衝撃部分を怪物登場のホラーに変形してしまい、原作を台無しにしてしまった。
(やはり、当時ヒットした「エレファントマン」の悪い影響なんだろうなあ、これは)


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