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私の考えるレトロ(2012年10月) [掲示板再録]

>>>講釈 -- 12/10/08-09:03..No.[16159]
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昭和が幕を閉じてまもなく四半世紀を迎えようとしていますが、遠くなる昭和を取り上げる、いわゆる昭和レトロの勢いは衰え知らずで、生活の色々な場面で触れることができます。
そこで、長年、昭和を懐古してきた不肖講釈の考える昭和レトロというものについて、少し述べさせて頂きたいと存じます。よろしくお願いします。

まず、現在、取り上げられている昭和レトロ(以下レトロ)は、クラシックでもノスタルジーでも無い、ということです。敢て言うなら、パラレルワールド、でしょうか。

つまり、世間一般では、レトロを昭和30年代風、または1960年代風の現在進行形の現実と捉えているということです。

以前、この掲示板で映画「三丁目の夕日」をカタログ的と評し、当時の実情や負の側面を取り上げていない点を不満と書きましたが、あの作品は舞台設定が当時風であるだけで、全く現在を描いているのであり、私の不満は的外れであったと見られます。

確実に、四半世紀の時は流れています。そうした時間や生活環境の激変の中で我々は生きてきており、過去は刻々と昇華されていきます。その結晶は現在へのアンチテーゼに他ならず、我々は我々の考えるパラレルワールドとしてのレトロをあたかも理想郷のように象徴化しているのです。

平成生まれの若い人でも、懐かしく感じさせることができるのは、何ら懐古も回顧もしていないからで、これが現在のレトロの本質なのです。

次回は引き続きビジネスの側面から考察します。なお、連貼り掲示となることがあるかも知れませんがどうぞご容赦ください。
三一十さま、ご常連の皆様からのご意見等、よろしくお願い申し上げます。







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>>> 三一十四四二三 -- 12/10/08-10:08..No.[16161]

現在、歯科医師会報の仕事で「レトロ特集」の編集をしていますが、わしもあまり甘美で理想化された過去には興味がないので、写真なども敢えて「汚い」ものを選別するようにしています。

「汚い」というのは、写っているものが「汚い」のではなく、写真自体が古びて劣化して汚くなったものです。
美化されていくノスタルジーとしての「過去」ではなく、時間的な正しい意味での「過去」を示したいからです。
 そういう点で昭和レトロ趣味がパラレルワールドという説に賛成します。



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>>> 講釈 -- 12/10/08-21:36..No.[16171]

>三一十さん
 決して当時のままでない疑似体験は、ある種、遊園地的な快感が誘発されるので、心地よいものです。
 しかし、問題なのは、そうした疑似であるべき側面が、あたかも当時の再現であると流布され、そう信じ込む人が増殖されていることです。曰く、昭和三十年代はバラ色時代、といわれる点が、代表的ですが、こうした捉え方が仕組まれたものであることに注意しなければならないことは言うまでもありません。


>>>講釈 -- 12/10/08-13:27..No.[16162]
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レトロを語るうえでビジネスの観点から避けて通れないのが所謂、復刻版です。
現在、食品や日用品等、最終消費材を中心に、様々な復刻版商品が販売されています。
この復刻版、私もこの掲示板で幾度か取り上げましたが、ビジネスとしては禁断の商法、弱者の商法、そして麻薬の商法と言えるでしょう。

過去にヒットした商品をモデルにしているので、販売数量はある程度予測できます。
加えて、中身は現行商品とほぼ同じか、僅かな差しかありません。違いはパッケージデザインだけで、同様にキーワードとなる限定版と冠すれば、将来的な廃棄損も回避できます。

ですから、現行品に僅かなコストをかけるだけで、商売と見込める訳です。
こんなおいしい商売はモノが売れない現在、企業としては見逃す手はないでしょう。
かくして、各企業とも挙って復刻版に手を出すわけです。

そして、巷間、レトロがこれら復刻版ビジネスを牽引したと言われていますが、実際のところは逆で、復刻版がレトロを煽ったと思っています。

なぜなら、一般大衆の殆どは既に過去の商品に対する記憶も、また必要性も感じておらず、店頭陳列を認知した際の、かすかな懐かしさが刹那的で衝動的な購買を喚起しているからです。

また、本当にレトロ的なニーズを有するような商品は、実際は復刻されていません。
例えば、トヨタ2000GTの復刻版(内外装のみで駆動部が最新式であっても)とかは、今後も絶対に発売されないでしょう。
勿論、生産ラインの大幅な改変は大変なコストであり、初代クラウンの復刻時のような社内的理由等がなければ、仮に売れるとわかっていても発売されないわけです。

さらにはこうした安易な収益源に無闇に頼ることで、新たな技術の勃興や新商品の開発力の欠如、ニーズ発掘力の低下といった企業力の低落まで影響を及ぼしているのが現状なのです。

レトロはあくまでも遊びでなければなりません。
本質的には、商売という本気が侵食してはいけない領域だと考えます。

次回は世代や年代、性別といった観点から考察します。









>>> 三一十四四二三 -- 12/10/08-20:54..No.[16167]

復刻版が大成功をおさめた分野として「オーディオ」と「カメラ」もありますね。
低性能のはずの真空管やオールド・レンズが再評価されるようになり、復刻商品の開発に至ったのだろうと思いますが、その再評価自体に「仕組まれたもの」があったとわしは睨んでいます。

復刻版を出す理由を捏造する、という高度な戦略は、いまだにマニアを悩ませ続けています。



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>>> 講釈 -- 12/10/08-21:29..No.[16170]

>三一十さん
 低性能のはずの真空管や・・
 そこなんです、問題は。常に最先端の技術や商品を提供するからこそ、新たなビジネスとなるべきなのに、後退した商品で稼ぐのは正に羊頭狗肉といった感があります。
 
 復刻版を出す理由を捏造する・・レトロの真髄は当時の現行品、つまり中古品にこそあるわけで、修理をしてでも使い続けることが、マニアの使命でしょう。
 企業に騙されないよう、これからも注意したいものです。
 



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>>> 大秀丸 -- 12/10/09-13:58..No.[16175]

>常に最先端の技術や商品を提供するからこそ、新たなビジネスとなるべきなのに、後退した商品で稼ぐのは正に羊頭狗肉といった感があります。
 
50年前の歯科診療に使われた診療機器などは絶対に復刻されないでしょうね。





>>> 虜囚第6号 -- 12/10/09-20:27..No.[16177]

 文脈からズレてしまい、すみませんが、「松山容子のボンカレー」を沖縄以外でも売ってほしいものです。
 「沖縄物産展」にこれが置かれているのを見て「うーん、沖縄名物には違いないんだけど・・・」と思ってしまうのです。



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>>> 講釈 -- 12/10/09-21:17..No.[16179]

>三一十さん、大秀丸さん
 此度の電力危機に乗じて、昭和30年代の不便な生活に回帰せよ、という暴論があります。
盲目的に当時を賛美する風潮も加味されており、
全く噴飯ものです。出来もしないことを吹聴し、腹立たしくなります。
>虜囚さん
 こちらは同社グループ発祥の地であり、松山容子バージョンは販売されております。
この商品は発売当初より沖縄で好評を博しており、現在に至るロングセラーとなっている立派な現行品であります。
 蛇足ながら、徳島製粉という即席麺メーカーの金ちゃんヌードルという商品も沖縄県民のみなさんに愛されています。

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>>> 講釈 -- 12/10/09-21:25..No.[16180]

題材を当時に求めていても、所謂コレクターズアイテムとして新たに企画された商品は、ここで指摘した復刻版商品とは一線を画すものです。
最近では、ウルトラQカラーライズ等は、革新的な技術が付与された新たな商品ですし、007に関する様々な商品も、ブルーレイ化に加え、新たな装丁、付録等、ニーズ喚起しうる点を具備した新たな商品といえるでしょう。

また、復刻版のうち、特に食品系では、現行品が素材の吟味や味付けの改良等、進歩を謳っているにも関わらず、改善前の味付けにわざわざ戻しているものも存在します。これなどは顧客に対する欺瞞的行為と言えるでしょう。




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