SSブログ

ツンデレスピーカー [オーディオ&ビジュアル]

いつなんどきでも同じ音を奏でるダリZENSOR7は、安定しているという点ではわしが今まで使ってきたどのスピーカーよりも優れている。
ある水準の音を必ず聞くことができるという安心感は素晴らしい利点であると言える。
しかし一方では、想像以上の音が突然に飛び出してくるといった驚きは期待できない。
たとえアンプやプレーヤーを変更しても、その変化は非常に小さく、頑として己の音を奏で続けるのであるから、オーディオ的、趣味的にはあまり面白味のないスピーカーであるとも言える。
先日このスピーカーの内側にブックシェルフタイプのマイクロピュアCz310ESをセッティングするという暴挙に対しても、そこに見られた変化は予想以上に少なく、この調子ならひっくり返してセッティングしても同じように鳴るのではないか?とすら思える鈍感・・・いや堂々たる安定感。こうなってくると呆れるほどである。

逆にとてつもなく不安定なのがマイクロピュアCz310ESだ。
このスピーカーはセッティングにも上流機器にもきわめて敏感であり、何をやってもころころと音が変わる。
小型スピーカーには概してそうした傾向があるけれど、特に顕著な部類だろう。
困ったことにセッティングの状況では「かなり不味い音」にあることがあり、現状のようにZENSOR7の間に挟まっているような置き方は、このスピーカー本来の美徳をかなり削いでいるのである。
セッティングや上流機器の選択に誤りがなくとも、このスピーカーは不安定である。
つまり同じ条件で同じCDを鳴らしても、とても良く聞こえる時と、そうでないときの差が激しい。

電源の状態によるものなのか、気温湿度によるものなのか?はたまた聞き手の精神的肉体的状態によるものなのか?それらの複合されたものなのか、さっぱりわからないが、まあ打率は3割ぐらいか?
残る7割は「うまく鳴ってくれない」のである。
しかし、ここでセッティングやケーブルなどを変えてはダメだ。
時間を改めて聞き直せば、あれ、さっきはあんなに不味い音だったのに、どうしてこのように美しく鳴るのか?
ということになる(ならないときもある)。

MM氏は不安定の原因はエージング不足ではないか?というのだが、このスピーカーは暫時使用してない期間もあったけれど、もう3年もうちにあり、その3年間ずっとこういう調子なのだ。
「さあ、今日は綺麗に鳴ってくれるだろうか」
いつもドキドキする。
このドキドキこそ趣味の醍醐味に違いない。
今日は鳴らなかった、でも明日は・・・という期待感がいつまでもこのスピーカーを意識させる。これが愛着というものだ。

いつもツンツンしている女性が突然デレデレして擦り寄ってくる状況をツンデレというらしいが、Cz310ESには、そういう困った女に似た愛おしさがある。

安定したZENSOR7の頼もしさと、ツンデレのCz310ES。いい組み合わせである。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。