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本当に音が痩せるのか? [オーディオ&ビジュアル]

業務用の電源ディストリビューターには強力なノイズフィルターが搭載されているのだが、これをオーディオ用途に使うのは良くないらしい。
理由はノイズが消えると同時に「音が痩せて」「躍動感が無くなる」から、と言われている。

一方では電源を見直すことは音質に影響を与えない。という説もあり、電源ケーブルの換装や電源環境の見直し(200ボルト導入、マイ電柱の設置、アイソレーショントランスなど)は、なんら効果が無いとする人もいる。

音が痩せる、という表現はなんとなくわかるが、音が太るという言い方はあまりしないから、「太った音が常態である」という考えがピュアオーディオの常識なのかもしれない。

普通人体などでは肥満していると躍動感が減じるが、オーディオでは逆なのだろうか?
まあ、病的に痩せれば当然躍動しなくなるが、適度に痩せていれば躍動感は増す、はずで・・・
いや、まあ、何事も人体が基準になっているわけではない。

しかしこういう風に突き詰めていくと、電源ディストリビューターを導入し、音が痩せて~躍動感が無くなる、ことが実感できれば、電源環境がオーディオに与える影響が錯覚でないことが証明できる。

ということで知人のミュージシャンに電源ディストリビューターを借りて実験してみた。
IMGP0788.jpg

機材は重く大きい。鉄の塊だ。5キロぐらいはある。古いものだが、現在でも売られているそうだ。
(価格は1万円ぐらい。オーディオ用タップからすると信じられないほど安い)
コンセントは10個以上ついており、把持力が強い。
右のスイッチで全ての電源がカットできるようになっており、内部にはノイズカットの回路が組み込まれている。

一つや二つの機具では効果があってもわかり難いだろうから、アンプ、プレーヤー、プロジェクターのすべてを結線して、音を出してみた。
さあ、音は痩せるだろうか?

結果は痩せもしないし太りもしない。
音質の変化は感じられなかった。
もともとノイズに悩まされているわけでなかったので、ノイズカットの効果も不明。
ただ、プロジェクターの作動音が、やや小さくなったのは、唯一の改善項目。
まあこの作動音もノイズであるから、そういう意味でのノイズカットには効果があったといえる。
(Blu-rayプレーヤーの作動音は変化なし)

音質に変化が無いのなら、この機材は「便利グッズ」として使えると思う。
買わないけどね。

オーディオ鬱 [オーディオ&ビジュアル]

機材を充実させることで、だんだん音が良くなっていくことは、オーディオの醍醐味である。
しかし音の良し悪しというのは、オーディオ趣味が継続している時にしかわからないようだ。
わしは時々、オーディオが馬鹿馬鹿しくなることがあるのだが、そうなると装置に対して真摯に向き合わなくなる。音楽は聞くが音は聞かないという状態になる。
そんな時は、音の良し悪しがわからない。今までお金と時間をかけて、いったいどこが、どう良くなったのか?あるいは、どこがどんな風に悪いのか?
さっぱり、わからないし、わかりたくもない。
その状態が、数ヶ月から一年以上続くことがある。
新製品が気にならなくなり、オーディオ雑誌は立ち読みもしない。オーディオだけで繋がっている友人との関係が疎遠になり、変にお金が貯まったりするのだ。
この状態は、わしだけでなく、多くのオーディオ好きが経験することで、古いファンは「真空期間」と呼ぶし、わしの周りでは「オーディオ鬱」と病気のように呼ぶ人もいる。
ちょっと考えると、オーディオ鬱の期間は、正常で健康的な人間に戻っているわけで、病気呼ばわりはおかしいのだが、狂人の集団の中にいると正常こそ狂気である、ということか?

オーディオ鬱は、しかし、必ず自然治癒する病である。
そして多くの人はオーディオ鬱を脱するたびに、より深みにはまっていくという…

二機種両立の結果 [オーディオ&ビジュアル]

外側に配したダリZENSOR7は、あまり音質的な影響を受けなかった。
スピーカー間が広くなったが、中抜けすることはなく、ややボーカルが薄味になったもののストレスを感じさせるような変化はなかった。
このスピーカーはあまり設置に神経質でなく鷹揚なところがあった(悪く言えば鈍感なスピーカーであり、わりといい加減なのだ)ので、内側に別種のスピーカーが置かれても問題ないのだ。
逆に拍子抜けしてしまった。前にも書いたが楽に使える反面「弄りがいのない」スピーカーである。オーディオを趣味とする者にとっては面白くないスピーカーとも言える。

内側に置いたマイクロピュアCz310ES。これは逆に大変神経質なスピーカーであり、セッティングにも敏感だ。よって、今回のような逆境に対して反応があった。
音場の広がりがなくなり、両サイドのZENSOR7の間にだけコンパクトにまとまってしまった。
スケールが小さくなったのだ。
見た目通り、狭いところで鳴っている、という感じだ。(見た目の影響もあるか?)
しかし、本質的な音質にはあまり影響を感じなかった。
美音は健在で、心配した別種スピーカーの干渉による濁りのようなものは聴感的には無い。
スケールが小さくなったのは、むしろスピーカー間の間隔が狭くなったことに起因しているのかもしれない。

以上が簡単な感想である。聞き込んでいくともっと感じるモノがあるかもしれないが、ZENSOR7は、ほぼ問題なし、Cz310ESは魅力が2割減というところか。
これなら問題は(今のところは)ない。来客の反応の方が大袈裟になりそうだが、それは今後のお楽しみだ。

メタルラックも特に問題はなかった。
対策が功を奏したのか?もともとラックの影響など無視していいレベルなのか?
案外オーディオという趣味は深そうで浅いのかも知れないなあ。

メタルラックはどうか? [オーディオ&ビジュアル]

アンプとCDプレーヤーはメタルラック(ワイヤーラック)に収納してみた。
(タオックのラックは背が高すぎてセンタースピーカーの底辺にまで達するので、プロジェクター脇のAV機器収納に回した)
メタルラックはビンビン鳴くのではないか?と思われがちだが、機器によるダンピングでもかなり鳴きを抑えることができるし、棚板部分を工夫することで聴診器で検聴してもわからないほど共鳴しなくなった。
またパイプカッターで簡単に高さ方向を調整できるので、機器に合わせて最小限のサイズにすることができる。
パイプの中にはちょうど鉛筆が入ったので、鳴き止めに差し込んでおいた。
さらに横方向のたわみを防止するために天板部分棚板を2重にしたことで、転がしても鳴かないソリッドな塊となった。
足には無反発ゴム(100円ショップ)を配して、総額3000円ちょっと。
機器とピッタリサイズなので見た目も悪くない。
これで音に何も影響がなければ、数万円のラックなどバカバカしいということになるが・・・はたして結果は?
IMGP0784.jpg

タブーに挑む新セッティング [オーディオ&ビジュアル]

前にも書いたが、二組のスピーカーのどちらにも愛着があり、また、その性格が全く異なるスピーカーなので、どちらか一方をあきらめることができ無い状況が長く続いていた。
なんとか二組(マイクロピュアCz310ESとダリZENSOR7)を共存両立できないか思案していたのだが、部屋の状況からして、それぞれが干渉しない位置にセットすることは不可能であることがわかった。
そこで小型のCz310ESは母屋のサブシステム(というほど立派なものではない)で使っていたが、どうしても物置シアターに両者を置きたいという気持ちが高まり、仕方なく以下のようにセッティングすることにした。
IMGP0782.jpg

これはオーディオの常識からして、最も問題があるセッティングである。
外側のZENSOR7は、内側に共鳴する障害物を置いた再生になり、内側のCz310ESは、外側に共鳴する衝立を立てた形での再生になる。
さらに言えば、ZENSOR7は横方向に広すぎるし、Cz310ESは狭すぎる。両者の最適幅は、それぞれの機種の中間あたりになるので、ベストな位置を両者とも外した配置になってしまうのだ。

これによる音質の損失はどの程度になるのか?
オーディオショップでは複数の機種を並べているし。これは販売目的上仕方がないことだが、そこで各機種の聞き分けができぬほど反響しあうことはないので、案外これでも問題はないのか?
労力と時間が無駄にならぬことを祈りつつ作業を進めた。(スピーカーを動かすのは大変なのだ)

これでそれぞれの美点が2割づつ引かれたとしても、暖色系美音のZENSOR7と鋭角的美音のCz310ESが手軽に切り替えて鑑賞できるようになれば、儲けものだ。しかし3割ロスがあるなら、諦めねばならぬ。またスピーカーの位置を戻さねばならない。それは腰だけでなく、精神的にも大きなダメージとなるだろう。

ZENSOR7の包容力のあるややルーズな低音。これは映画鑑賞に欠かせぬ要素である。
Cz310ESの天にも届くような高域の伸び、ボーカルのキレ。これでなければ再生できぬ音源が確かに存在するのだ。
両者の両立は、わしの悲願である。
なんとか上手くいってくれ!
IMGP0783.jpg
段違い配置にしてみたが、これで少しでも物理的な干渉を抑えることができるだろうか?
両スピーカーとも箱が鳴くタイプなのが厳しいところだ。


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